基本の換気性能の解析

まずは自宅の賃貸マンションの基本の換気性能を解析していきます。

ここでは風呂とトイレの換気扇が回っている事とします。
空気の取り込み口は各窓の上側にある換気口のみとして、窓は全て閉じている状態を想定します。
キッチンの換気扇は停止しています。
クーラー(エアコン・空調)も停止しています。
ドアは全て全開とします。

それでは、まず、3次元での空気の流れる速さを見ていきましょう。

流線上の速度

シミュレーションの結果、部屋1とLDKから部屋2へ向かう辺りの流速が大きい事が分かりました。
また、部屋1と部屋2から換気扇に向かう流れがある事も分かり、この部分の換気は良く行われるという事が理解できます。

一方、LDKのDK部分(冷蔵庫と冷凍庫で挟まれた辺りやキッチンの近く)は流線が途切れていて、流速も小さい事が分かります。
この部分はあまり換気が出来ていない可能性がある事が示唆されました。

次に、空気の流れに乗って、室温がどうなっているか見てみます。

流線上の温度

こうやって見ると、部屋1とLDKのリビング側に流れ込んだ空気は外気(35℃想定)の影響を受けて若干高めですが、すぐに室温に近い温度になる様です。
一方、LDKのDK部分は換気性能が低い代わりに、外気の影響をあまり受けない様です。

実際の体感温度の分布を確認するため、床から1mの高さの空気の温度の分布を確認してみました。

床から1mの高さの温度分布

この図を見ると、LDKの窓側と熱源(冷蔵庫・冷凍庫、40℃で設定)の周りの温度が高い事に気づきます。
それに釣られて、LDKと部屋2の温度は部屋1よりも1〜2℃程度高そうです。

実は、これは我が家の体感温度とほぼ一致しています。
我が家では冷蔵庫と冷凍庫に挟まれた位置に食卓があるのですが、食事中はリビングや部屋2にいる時よりも、一年中、暑く(冬は暖かく)感じます。

また、部屋1は年間を通して、温度変化が小さい様に感じています。

この解析結果を受けて、我が家では、部屋1の空気を出来るだけDKの部分に送る事が出来る様、廊下部分に扇風機を置いています。
これによって、部屋毎の温度差は小さくなり、快適な生活が出来る様になりました。

次の投稿から、換気扇の使い方や、ドアの開閉状態を変えた場合の検討も紹介していきます。

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