エアコン(冷房)を階段上部に設置して(Ua値0.46)
こんにちは。
このブログでは家の間取りと換気・空調といった空気・風の流れ・温熱設計をコンピュータシミュレーションしています。
前提は高気密の住宅です。
高気密でないと予測できないところからすきま風が入ってくるなんて事も起こり得ますので、ちょっと横に置いておきます。
前回、ネット上で見つけた参考の間取りで階段の位置にエアコンを設置したら、1階と2階の温度差がほとんどない状態になりました。
しかし、2階の廊下にエアコンを設置した場合と比較すると、2階のエアコンの効きが悪くなってしまうという事も分かりました。
前回は階段の位置にエアコンを設置し、Ua値を0.87に設定していたので、今回はUa値を0.46にしてみようと思います。
Ua値が変わると、家全体の温度が下がるだろうと予想しています。
前提条件としては前回までとほぼ同じで、以下の様にしています。
- エアコンから出てくる空気の温度は20℃、風速は中ぐらい?
- 外気温は35℃を想定し、第3種換気の熱交換によって、各部屋の壁に設置した換気口から外の空気が入ってくる。
- Ua値は0.46とする。
それでは結果を見てみましょう。
まず西側から見た図から分かることは、エアコン直下(2階廊下)の温度が22~23℃程度になっています。
1階へは冷気の一部が流れ、23~24℃程度になっています。
東側から見た図からは2階の個室の温度が概ね24~25℃(真ん中の部屋は約24℃)になっていて、1階の温度は約24℃になっています。
1階と2階の温度差は約1℃という事になります。
これをUa値0.87の時と比べてみると、以下の事が言えます。
- 2階の温度はあまり変わらない(気持ち低めになる)
- 1階の温度は約1℃下がる
- これらの結果、1階と2階の温度差は約1℃になる
次にUa値0.46は同じで、2階廊下にエアコンを設置した場合と比べてみます。
- 1階も2階も2階廊下エアコンの方が温度が低い
- 1階と2階の温度差は2階廊下エアコンの方が小さい
以上より、この家の場合(高気密高断熱を仮定した場合)は、最適なエアコン(冷房)の位置は2階廊下という事が言えそうです。
今回の検討でも、料理によって生じる熱や風呂のお湯から伝わる熱に関して考慮していません。
実際に生活してみると1階と2階の温度差をシミュレーションの結果よりも大きく感じてしまうかもしれませんという事を補足しておきます。
なお、この参考にした間取りの家がどの様な換気システム・断熱性能を採用しているのか知りませんので、この間取りが良い・悪いという意図は全くありません。
ご了承ください。