階間エアコンによる冷房はどんな感じ?
こんにちは。
このブログでは家の間取りと換気・空調といった空気・風の流れ・温熱設計をコンピュータシミュレーションしています。
前提は高気密の住宅です。
高気密でないと予測できないところからすきま風が入ってくるなんて事も起こり得ますので、ちょっと横に置いておきます。
前回と前々回で、階間エアコンで家中を暖房するシミュレーションを行ってみました。
使用した間取りはこちらのネット上で見つけた参考の間取りです。
結果は、階間エアコンってなかなかやるなー!という感じでしたが、同時に1階と2階のエアコンの吹出し量の調整によって大きく結果が変わりそうで、調整が難しそうという印象でした。
どんな結果になっていたかはこちらをご覧ください。
今回は前々回と全く同じ吹出し口の位置・数で冷房のシミュレーションを実施します。
検討する前提条件は毎回変わらず以下の様にしました。
- エアコンから出てくる空気の温度は20℃、風量はエアコンの設定の中ぐらい(0.12m3/s)とする。
- 外気温は35℃を想定し、第3種換気によって、各部屋の壁に設置した換気口から外の空気が入ってくる。
- Ua値は0.87とする。
それではシミュレーション結果を見てみましょう。
まずは流速分布です。
どちらの図も青いところが多く、部屋全体の空気の流れとして、風によって寒いと感じるようなところは無さそうです。
※赤いところは階間エリアやエアコンの吸込み・吹出しの風です。
特徴としては、階間から1階に吹出す流速が2階よりも大きそうであるという事でしょうか。
冷たい空気はどうしても下へ行こうとするので、仕方のない事だと思います。
次に温度分布を見てみます。
階間の空間はエアコンから出てきた冷たい空気があるので青くなっています。
また第3種換気によって外部から入ってきた空気は温かいので赤く表示されています。
各部屋はほとんどが緑色(24℃~26℃)の表示になっています。
よく見ると2階の方が少し温度が高めになっている様にも見えますが、ほとんど同じです。
暖房の時はなかなか1階と2階の温度が同じにならなかったのですが、冷房は1回目の検討でほぼ同じ温度になったので驚きました。
冷房の場合は外気との温度差が小さい事と、2階の吹出し口がエアコンの吹出し口の近くにある事が影響していると考えられます。
※暖房の場合は2階の吹出し口がエアコンの吹出し口に近いことが悪影響していました。
壁かけエアコン・階間エアコンなどをこの間取りで検討してきましたが、そろそろ別の間取りの場合を考えてみたくなりましたので、次回からは別の間取りでシミュレーションを行っていく予定です。
出来れば吹き抜け空間のある間取りを探してみたいと思っています。